COLUMN

藤井誠のゴルフコラム

2019/04/14

藤井誠の日記①

佐野元春という日本ロック界のスーパースターがいる。1980年代、彼は間違いなくナンバー1だった。いまだにあのころと同じようなシェイプで活動しているのだからやっぱりすごいひとだったのだ。

縁があり俺はその佐野くん(さんではなくなぜか君をつけて呼んでいた)のマネージャーなるものをしていた時期がある。

彼が自分のキャリアの高みを目指し1年間ニューヨークに住んで音楽活動をしたことがある。毎週のNHKラジオでオンエアするサウンドストリートという番組はNYから音源を送ってこなしていた。いまみたいに便利な時代ではなかったので、どうやって番組に穴をあけないようにやっていたのか、、、。よく考えるとゾッとする綱渡り的なことがたくさんあったと思う。そして彼は現地に住んでいるミュージシャンたちと一緒にスタジオに入りVISITORSというアルバムを作る。全くすごいやつなのだ。

NYから帰ってきて全国ツアーをするのだが、そのタイトルがVISITORS TOUR。彼には立派なマネージャーが付いていたのだが、そのタイミングでそのマネージャーが地元福岡に帰らねばならなくなり、事務所に適当な人材がいなかったことで俺が佐野くんのマネージャーとしてそばにピッタリ付くようになった。

今思うい出すと、佐野くんと一緒に仕事をした数年間はまあ楽しいものだった。すごく大変ではあったが、毎日がエキサイティングだった。最近QUEENの映画が話題になった。あの映画のオープニングはLIVE AIDのシーンから始まる。まさにあのとき、俺は佐野くんにピッタリ付いていた時期だ。そういえば、ライブエイドという世界的な音楽イベントが企画され、アメリカのキー局から日本(当時フジテレビが日本側の窓口になった)に3名のアーティストの主演をさせたいというオファーがあった。実際にアメリカ、またはロンドンまで行ってライブをするのではなく、映像で一曲ずつ世界に同時にオンエアするというものであった。そのころちょうどちょっと意識の高いアーティストはPVを独自に作りだしていたころだ。最先端いってた佐野くんはもちろんやっていましたよ。3名のアーティストはライブエイド主催者から指名された。誰が選んだかわからないし、その基準もわからない。

とにかく選ばれたのは、、、矢沢永吉、ラウドネス、そして佐野元春だった。

俺がこのコラムを利用して好きなことを書くのはいいとしても、佐野くんの話はひとまずこのあたりにしておきます。また違う機会に、、、。ライブエイドは世界中のアーティストと同じ時間帯にROCK魂で結ばれた奇妙な興奮を体感でき、良い思い出になっている。

近くで佐野くんの生きざまを見ていて俺の中に「いつか俺も佐野くんみたいに上手のソデからステージに飛び出していってスポットライトを浴びたい」という気持ちが芽生えてきた。音楽ではないですよ、、、。音楽を聴くこと、音楽に触れることが大好きだが、自分が奏でるってのは、、、これは無理だってわかっていましたから。

そんな中、テレビで見てしまったのですよ。

何をって、、、。1986年のマスターズトーナメント中継を。

それまでゴルフをしたことはある。しかし、お遊び、お付き合い、の域をまったく出ていないし、出ようなどと思ったこともない。クラブセットは持ってはいたが、アイアンのみであった。

実際、これを書いている自分は現在ゴルフというスポーツを生業としているのだが、1986年当時のことを冷静に考えると今こうなっていることが不思議でしょうがない。

あのマスターズトーナメントはテレビ中継を偶然朝早くからしっかり全部見ることができたのだ。とんでもなく忙しかったマネージャーをやりながらなぜそれを見れたのかも覚えていない。どちらかというとその数年前にテニスに凝ったことがあるくらいだから。そしてやはりその数年前に腰椎椎間板ヘルニアの手術を受け、背中にざっくりメスを入れられ、スポーツなどやってはいかんだろ、、、とも思っていたし。

しかし、オーガスタナショナルのあの緑の絨毯のような芝生の上でスイングをしていたプレーヤーに完全に惹きつけられてしまったのだ。

そのプレーヤーとはバレステロスとノーマン。

地球上に全身をこんなに美しく動かすスポーツがあったのか!とゴルフを見直した瞬間だった。あの身のこなし、あの表情、インパクトの音、そしてあの緊張感、、、すべてが強烈だった。

1986年マスターズトーナメント最終日、日本時間の月曜日の朝、俺は決意したのです。俺が出ていくステージはここだ!と。

(当時すでに27歳と6か月になっていた俺がその後すんなりそのステージで活躍できたか?って、、、。んなわけないじゃん。まあ、ここのあたりも気が向いたらこんど書きます)

1999年、、、つまりいまからちょうど20年前。俺はあのステージに行くことができた。ロープの外だったが、月曜日から最終日まで毎日あの場に行き、バレステロスとノーマンを見た。

まさに佐野くんの全盛期の仕事を辞めてまで目指そうと決意させてくれたあの不思議な空間に。

2019年。マスターズトーナメントは3日目が終わった。

今日、これを書いておきたいなと思ってパソコンに向かいました。

明日、最終日、、、。それを見てまた誰かが自分の生き方に関して何か決断をするのだろうか?

とにかく最終日が楽しみだ。